今年の3月くらいのブログに書いたコレ。
西崎信太郎の音楽履歴書 ①
西崎信太郎の音楽履歴書 ②
西崎信太郎の音楽履歴書 ③
西崎信太郎の音楽履歴書 ④
西崎信太郎の音楽履歴書 ⑤
西崎信太郎の音楽履歴書 ⑥
僕が2年前までお世話になっていたCDストアHMVにいた頃の話。
あの頃は良かったなー。
なんて微塵も思った事ないっす。
今の方が数百倍楽しい。それは紛れもない事実。
でも、1つだけ後悔している事があるんです。
それは
分身を作れなかった事。
良くも悪くも、当時は遠慮があったのかも。
2007年2月にHMVに入って、2010年8月に辞めた。
3年半しかいなかったから、僕は社内的にはぺーぺーのまま会社を去ったんです。
正確に言えば、当時はそこまで余裕は無かったっていうのも本音かも。
自分の事でいっぱいいっぱいだったから。
でも、同時進行は出来たし、やるべきだった。
それが僕が唯一心残りな事。
CDって、今売れないんですよー。
それは紛れもない現実。
否定しないっす。その通り。
でも、これも紛れもない事実。
売る人がいれば、CD売れるんすよー。
僕が音楽業界に入ったのは2007年。
そりゃね、2002年の頃の方がCDはきっと多いに売れた事でしょう。
でもね、そんな事を嘆いた事なんで1回も無いっす。
僕が最初に世話になった店は今は無きHMV数寄屋橋店。
僕はこの小さな店でCDを売りまくりました。
その実績が買われて、HMV渋谷店に行きました。
そこでCDをもっと売りまくりました。
そのおかげで、HMVという枠を超えてレコード会社から沢山の仕事を頂きました。
だから、今はフリーでなんとかやっていけています。
でも、今のフリーランスになって身をもって感じた事。
それは自分の思いを継承する人間を作れなかった事のあまりにも大きな代償。
こんな言い方すると、今店頭に立ってらっしゃる方を見下しているような言い方になっちゃいますが、
これだけは自信を持って言える事があります。
それは
守らなかった。
俗に言う攻撃は最大の防御、みたいな感じっす。
店頭でバイヤーをやっていらっしゃる方なら分かると思いますし、
小売業等をやってらっしゃる方は分かるかと思います。
在庫残しちゃうと恐いっすよね。
でもね、そんなの関係ねーっすよ。
だって、売りゃ良いんだもん。
だって、売らねーと世界変わらねーんだもん。
そもそも、何で音楽業界に入ったかって言う話。
会社に認められて出世する事なんて、1回たりとも考えた事ないっす。
今と変わらない気持ち。
日本にR&Bを根付かせる為。
だから、ある意味僕は強かった。
上司に嫌われようがなんだろうが、関係無いっすからね。
言うならば、
点数を稼ごうとしか考えていない警察官か
市民の安全を本気で守ろうと思っている警察官か、
みたいな感じっす。
だからアホみたいな数字のオーダーだして、それを全部売った。
別に賭けなんてしてないっす。
売れなかったらどうしようなんて、考えた事ないっす。
誰よりも自分の耳に自信を持っていたから。
僕みたいなアホな人間を、もっと作りたかった。
若い子達に、もっと自由にやらせてあげれば良かった。
それが僕の忘れ物です。
続く。
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西崎信太郎の音楽履歴書 : 番外編『僕の忘れ物』
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